TSUTAYAとゲオ泥沼競争の果てに…ビデオレンタル業界がヤバイ!
現 在、80円、50円といった低料金を打ち出すGEOとの価格競争が泥沼にはまりこんだTSUTAYA。この状況を打開するための戦略の一つとして『アメイ ジング・スパイダーマン』など、人気タイトルのレンタルを独占。これによって下落するレンタル価格を維持したい考えだ。
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実 は、TSUTAYAがほかの一般店だけでなく、利用者からも反発が起きそうな措置に踏み切った裏には、ソフトレンタル業界の現状があるという。レンタルビ デオの売り上げは、2007年の3600億円から2010年の2600億円と、4年間で1000億円も市場規模が縮小。その中で、全国にあるビデオ店 3600店のうち、TSUTAYAは1400店、GEOは1200店と、2社で3分の2以上を占めている。両社は、縮小する業界の中で、価格競争によっ て、周辺の一般店を駆逐しつつ生き残り合戦を繰り広げてきた。そして、強気の価格設定を打ち出して勢力を伸ばすGEOに対して、TSUTAYAが取った戦 略が「独占」という付加価値を創出することだった。このTSUTAYAの戦略に、市場規模が縮小し続けるソフトレンタル市場でなんとしても利益を確保した いソフトメーカーの思惑が重なり、『アメイジング?』をめぐる独占レンタルへとつながったというのが関係者の見立てだ。
独 占の結果、『アメイジング?』は2012年のTSUTAYA年間貸出ランキングで4位を獲得する人気商品になった。ところで、ライバルであるGEOは、こ うした独占戦略に対して興味を示さないのだろうか?そこには、TSUTAYAとGEOとの経営戦略の差が如実に現れている。
GEO の収益の柱はゲームなどの中古販売事業であり、利益率の低いビデオレンタル事業は中古販売につなげるための集客の一環であり、レンタル事業をあまり重視し ていない。また、GEOが抱える1200の店舗のうち8割が直営店であり、客単価が減少する低価格路線を追求しても、店舗からの反発はない。その結果、ほ かのレンタルビデオチェーンと徹底的に差をつけるための「50円レンタル」が成立し、ソフトレンタル業界にデフレを巻き起こした。