米アマゾンが、テレビの HDMI 端子に接続する動画ストリーミングサービス用デバイス Fire TV を発売しました。価格は99ドル。AppleTV や Chromecast などと競合する STB(Set Top Box)と呼ばれるジャンルの製品ですが、大きな特徴はゲーム機としても使えること。EA や Ubisoft など多くのゲームタイトルを揃え、さらにはアマゾン自身が Amazon Game Studio を立ち上げ、ゲーム開発も行います。
Fire TV が提供するコンテンツのジャンルは動画配信、音楽配信、インターネットラジオなど。Amazon Cloud Drive とも連携し、ゲームコンソールとしても機能します。
動画ストリーミングサービスはアマゾンが展開する Amazon Instant Video(Prime会員向け含む)をはじめ、YouTube、Netflix、Hulu Plus、WatchESPN 等に対応。音楽配信とインターネットラジオは Amazon MP3、Pandra、TuneIn、iHeartRadio などに対応します。
付属する Bluetooth 接続のリモコン Amazon Fire Remote にはマイクを内蔵しており、映画や番組のタイトル、監督名、出演者などを音声で検索できます。さらに、ユーザーの好みを分析し、見たいと思うであろうタイトルをあらかじめバッファーに入れておく「ASAP(Advanced Streaming and Prediction)」という凝った機能も搭載します。
そのほか、リモコン関連では、スマートフォン/タブレットを Fire TV リモコンにするアプリ「Fire TV」を用意。iOS デバイス版も提供予定です。
また、子供のいる家庭向けにはペアレンタルコントロール機能を提供。料金定額の子供向け見放題プランも用意するとのこと。
ゲームはすでに EA、Ubisoft、Disney などのタイトルが多数そろっており、ゲームパッド Amazon Game Controller を別売りで提供。有料ゲームタイトルは1.85ドル前後で提供し、無料タイトルも多数揃えています。
さらに、独自のゲームを開発する Amazon Game Studios からは「Sev Zero」というタイトルも公開済みです。
製品の仕様は、4コア Snapdragon 8064 CPU、Adreno 320 GPU、2GB RAM、8GB ストレージ、IEEE802.11b/g/n WiFi、Bluetooth 4.0。インターフェースは HDMI 出力および光デジテル出力。音声はドルビーデジタル7.1ch に対応します。本体の大きさは115 x 115 x 17.5mm。重さは281g。
価格は99ドルで、発表直後から販売を開始しています。
なお、日本国内ではまだ発表はありません。いろいろな事情により動画や音楽配信サービスをそっくりそのまま、というわけにはいかないと思いますが、ゲーム機能の搭載は AppleTV などでも噂されており、今後は既存のゲーム専用機などととも、テレビ画面の奪い合いを繰り広げていくことになりそうです。