米国の音楽誌ビルボードが、アルバム・チャート「Billboard 200」に音楽ストリーミングサービスの再生回数を算入します。世界的に広まりを見せるストリーミングを集計に加えることで、「売れている」だけでなく実 際に「聴かれている」アルバムが上位にランキングするチャートとなりそうです。
ストリーミングサービスの再生回数データを集計に加えるのは週間アルバムチャート「Billboard 200」で、12月4日発表分(集計は11月最終週)からとなります。
ストリーミングのデータとアルバム売上の組み合わせかたは、米ビルボードによるとアルバムがストリーミングで1500回再生されるごとにCD1枚分の 売上としてカウントするとのこと。また、アルバム内のトラックが個別に再生された場合は、10曲分が再生されればアルバム1回の再生とします。集計される ストリーミングサービスには Spotify、Google Play、Beats Music、Rdio、Rhapsody などが紹介されています。
ビルボードのチャート担当ディレクターSilvio Pietroluongoは「ストリーミングデータを加えることで、これからは売上の瞬間だけでなく、アルバムが時間の流れとともにどれぐらい聴かれ続け るのかもわかる」とコメント。既存の売上ベースのチャートから、その後のリスニング動向も含んだチャートになるとしています。
米国では CD など物理的な音楽コンテンツ販売の減少にくわえ、最近は iTunes に代表されるダウンロード販売もストリーミングサービスに押されて減少の兆しを見せています。
こうした流れを受け、売上をベースとしたチャートは現実の流行を反映しているとは言い難くなっており、今回のビルボードの変更はふたたびチャートの信頼性を高めるものとなりそうです。
ちなみに、11月29日付 Billboard 200 の1位は Spotify から作品をすべて引き上げて話題となったテイラー・スウィフトの「1989」。デジタル配信嫌いで、Spotify はもとより iTunes にすら作品をおろさない超大物カントリー歌手 ガース・ブルックス の13年ぶりの新作も4位に位置しています。