日本テレビJoinTVからみるソーシャルTVがもたらす可能性
Facebook、Twitter、mixi、LINEという
日本を代表する4つのソーシャルサービスの
代表を日本テレビが招いての当イベントだったのですが
日本テレビが展開しているJoinTVという取り組みの
本気度を改めて確認できたイベントだったと感じます。
このJoinTVというのは簡単にいうと日本テレビが
実践する「ソーシャルTV」の一つの形であり
Facebook、Twitterと日本テレビで放送される番組を
連携することで友人とコミュニケーションをしながら
TVを閲覧できるというものです。
家にあるTVをインターネットに繋ぐ必要がありますが
それをクリアすればスマホとのダブルスクリーンによる
ソーシャル体験が味わえるのがこのJoinTVです。
先日のカンファレンスの内容をみる限り、
今後日本テレビはこの新しい取り組みに
一層力を入れていくことでしょう。
そこで今回はこれからのソーシャルTVの可能性を
先読みするためにもこれまでJoinTVが実施された
注目すべき番組企画を遡ってご紹介したいと思います。
①icon
JoinTVの実験番組として今年の3月からスタートした番組です。
最新のIT情報を紹介していく番組ですが、
もし仮にあなたがFacebookアカウントをJoinTVに
登録している状態でこの番組を見ると同時に視聴している
Facebook上の友達が画面に一覧表示されるでしょう。
さらに面白いのが番組の気に入ったシーンでTV画面上にある
「いいね!」ボタン(リモコンの青いボタン)を押すと、
JoinTVとFacebookの両方にいいね!ボタンを押したことが
反映され、友達に伝えることができるという仕様になっています。
番組コンテンツをFacebookへブックマーク&シェアするという
形にもなっておりこれまでにない面白い発想であると感じます。
②サマーウォーズ
これは10億人が利用するというインターネットの仮想空間OZが
普及した世界を描いたアニメ映画ですが、7月20日に行われた
この映画の金曜ロードショーの際にもJointTVが実装されました。
iconと同じ機能はもちろんのこと映画に関するクイズが
放送中に表示され以下のようなことが可能になっていました。
・視聴中の友達とクイズの得点を競い「友達内ランキング」が表示
・友達が、クイズでどの選択肢に解答したかチェック
・全国の視聴者が、クイズでどの選択肢に解答したかチェック
・JoinTV利用者だけの特別プレゼントに応募が可能
またこの時から初めて全国ネットでJoinTVに参加が可能に
なったということで大きな話題になったのを覚えています。
③20世紀少年
こちらは10月に放送された
JoinTV連動企画の金曜ロードショーです。
概要はサマーウォーズやiconと同じなのですが
こちらは映画中で使われるセリフや顔文字のスタンプで
友達とコミュケーション出来たり、メンコチャレンジという
ミニゲームで遊べたりと細かい機能追加がされた
取り組みと言えるでしょう。
これまでのTV画面を利用したシングルスクリーンの
JoinTVと打って代わり今回からスマートフォンとの
連携を強化しました。
つまりこれまでのハードルであったTVを
インターネットに接続するという行為を行わなくとも
スマホ上で友人と共にTV視聴を楽しめます。
これはセカンドスクリーンという考え方ですね。
そして今回のエヴァンゲリオン×JoinTVの大きな目玉と
なるのが放送シーンに合わせたスマホ上でのアクションでしょう。
例えば作中に「ヤシマ作戦」と呼ばれる日本を節電して
攻撃兵器の電力を高める作戦があるのですが
このシーンに合わせて視聴者みんなでスマホを
タップしようという企画があります。
何人が何回タップしたか、自分の貢献度は
どのくらいかなどの情報が可視化できることで
全国のお茶の間と繋がっている感覚を味わうことができます。
以上、3月からこれまでにかけてのJoinTVの
取り組みをご紹介しましたがいかがでしょうか?
TVは受動的に楽しむもの、という概念を覆す
画期的なものであることを感じ頂けましたでしょうか?
今後TVはソーシャルと組み合わさっていくことによって
私達に能動的な楽しみを与えてくれることでしょう。
つまりそれはこれまでの「視聴」行動ではなく
友人たちとの一つの「体験」を意味します。
TV離れなど、視聴率の悪化が騒がれている昨今、
「視聴率」とは全く別のソーシャルTVがもたらす
「体験価値」という軸を武器に今後、
TV業界がどのように進化していくのか楽しみでなりません。