毎度おなじみクラウド出資サービス Kickstarter より。米国のスタートアップ企業 Greenwing Audio は、「世界初にして唯一のハンズフリー 無線音楽プレーヤ」をうたう耳栓型デバイス SPLIT の商品化資金を募っています。
左右をつなぐケーブルすらない(かわりにやや大きい) イヤピース型のワイヤレスヘッドホンはいくつか例がありますが、SPLIT は Bluetooth などの無線ヘッドホンではなく、単体で再生できる音楽プレーヤーです。
左右のイヤフォンはステレオの各チャンネルを再生する独立したプレーヤーとして機能し、内蔵の水晶発振子で再生タイミングを同期します。不使用時は左右が磁石でくっついており、離すと電源がONになり独立クロックで動く仕組み。
あまりに小さく、また外部のリモコンやプレーヤーもないため、再生 / 停止や曲送りには歯を噛みあわせた振動で操作する「バイトクリック」を採用します。SPLIT は高精度な3軸加速度計を内蔵しており、軽く歯を噛みあわせたときの振動を識別して一回なら曲送り、二回連続なら音量を小・中・大・消音(と停止)の順に切り替えます。
噛み合わせクリックはおおげさにガツンと噛む必要はなく、口を閉じたまま軽く噛むだけで認識可能 (と開発者は語っています)。
噛み合わせで操作というだけで何か大変な状況が想像できますが、誤認識を防ぐため、片方のイヤフォンを一度叩くことでバイトクリックによる操作をホールドできます。(技術的にはタップ操作もできそうですが、両手がふさがっていても使えるハンズフリーが眼目です)。
試作品の仕様は、内蔵ストレージが64MBから256MB (つまり曲送りだけで一周できるくらい少ない)、連続再生時間は4時間程度、スピーカーは6mm径のネオジウムドライバ。再生可能フォーマットは mp3 や aac, wav など。
再生性能は20Hz – 20000Hz, インピーダンス 16Ω、アンプのS/N比 100dBなど。
本体のサイズは、耳のあなに入る部分から反対の先端まで約1インチ(約25mm)。充電や曲の転送にはUSBケーブル(設計中)を使います。
Kickstarter での出資メニューは、「まあ頑張れ」的な少額から始まり、155ドル(149ドル+米国内送料6ドル)で SPLIT ひとつ(左右一組)。海外発送には20ドルかかります。
資金調達の目標は43万5000ドル。残り28日間の現時点で集まったのは約2万ドル弱。噛んで操作のほかに左タップで一時停止くらいはあって良さそうですが(最終的な操作系はまだ検討中。カスタマイズ可能)、左右のケーブルすら省きたい理想に一歩近づく努力としては応援したくなります。