指に装着するウェアラブルデバイス Ring を手がけるLogbar(ログバー)は、10月30日より10月9日よりWebサイトでRingを販売開始しました。また30日より表参道ヒルズにて体験店舗を期間限定オープンします。
Ringといえば、クラウドファンディングで25万ドルを集め、昨年のTechCrunch Tokyo 2013でスタートアップバトルで優勝するなど、やたらと派手な鳴り物がなってプロジェクトです。製品化第1弾となるRingは、指輪というにはかなり勇気がいるものの、実際に動作する製品が登場しました。
10月29日20時30分 訂正:初出時30日より販売開始としていましたが、9日より販売開始、30日より体験店舗オープンです。お詫びして訂正します。
最初にLogbarのRing製品紹介から抜粋すると、Ringは指に装着しジェスチャーであらゆる能動的なアクションを直感的に完了できる製品で、日常で装着していられるようにガジェットではなくジュエリーとして開発したものです。
Bluetooth Low Energyに対応し、LEDやバイブレーションといった通知に、タッチセンサーや6軸加速度センサーを搭載。22mAのリチウムポリマーバッテリーで1〜3日間使えます。指にはめて指先でくるくるとジェスチャー操作を行うことで、連携するスマートフォン(iOS/Android)でTwitterの操作や対応する家電のON/OFF、ライフログなどが記録できます。
要するに、スマートフォンなどと連携し、腕などに身につけて操作するリモコンツールなんですが、ガジェットではなく指輪として開発しようというコンセプトの製品。アクセサリーとして身につけるセンサーデバイスという意味では、リストバンド型やネックレス型など主にエクササイズ方面での採用が多い印象にありますが、Ringはファッションの要素を取り入れようとした指リモコン。指に装着する点と、ジェスチャーで操作する点に目新しさがあります。
製品名の通り指輪型ウェアラブルデバイスと紹介されていることと、Logbar自身もガジェットではなくジュエリーと紹介している点で他のデバイスとの差別化に成功している印象です。その一方、今のところ実際の製品は指輪というよりもナットに近いもの。もっと言えば金属製のポテコのような存在感を放っており、ハードウェアの制約をかなり受けているようです。ジュエリーですがデザインよりも、指輪で魔法が使えたら? という夢みるプロジェクトといった雰囲気も色濃く残っています。
もしジュエリーとするなら、高級感や存在感といった身につける人の心を豊かにするものであるはずです。大きさはS/M/L/XLと4タイプがありますが以下の通り、外径と内径の差はかなりあり、写真通り厚みがあります。
S:外径29.3 / 内径19 mm
M:外径31.3 / 内径20.6 mm
L:外径33.4 / 内径22.2 mm
XL:外径35.6 / 内径23.8mm
Ringは実際のポテコよりも厚く、今のところジェスチャー操作を試してみたい人に向いているデバイスのようです。心を豊かにするジュエリーというより、豊かで広い心の持ち主にこそ似合うジュエリーといった感もあります。各サイズともに若干のサイズ調整が可能。
鳴り物が派手だっただけに、実際に動作するのかどうか懸念されたRing。今年3月にはデモを披露しており、ようやく発売にこぎつけています。第1弾製品ということで、いろいろな面で広い心で将来の展望をみるべきですが、価格は268.99ドル、そこはだけは確かな現実です。
Logbarの吉田卓郎社長は、発表会の囲み取材の中で技術力が強みか? という質問に「強みは未来を見せられること」と語りました。指輪で空中をなぞるとクラウド連携する機器を通じていろいろなことができる、Ringはそんな夢のある未来を描いています。
また将来的にはBluetoothではなく、3G/4Gといった通信機能を盛り込むことでRingを単体で動作するデバイスにしたいと語った吉田氏。第1弾のRingは夢の具体化は実に難しく障壁がいくつもあるという、ごくごく一般的な現実を突きつけた印象もあります。製品は今後、第1弾の利用者の反応を見てさらに改良を加えていく計画です。