米国のミュージシャン Quintron が、その場の気象条件をもとに音を出すアナログシンセサイザー Weather Warlock を製作しました。気象センサーからの入力で生成されたその音は、どこかアンビエントな雰囲気を漂わせます。
「WEATHER FOR THE BLIND」と名付けられたこのサウンドは、ルイジアナ州ニューオーリンズに設置されたアナログシンセサイザー Wheather Warlock が、今まさに奏でているライブサウンドです。
サウンドのもととなるのは、風、雨粒、気温、太陽光など。それぞれに対応したセンサーの反応が、アナログシンセサイザーに入力され、奏でるサウンドに反映されます。
「Wheather Warlock を作り始めた当初は地獄の底のような音を出していた」とQuintron は述べています。しかし、後に E メジャー(ホ長調)の音が人の心を和ませる効果があることに着目し、基本の音程を E メジャーに合わせました。そしてこのサウンドが不眠やストレスから来る健康の問題で悩む人などにわずかでも安らぎを与えられればと考えています。
Wheather Warlock は、だいたいは穏やかなサウンドをゆったりと流し続けますが、時おりイレギュラーな音を発することもあります。たとえばそれは、センサーを止まり木にちょっと休憩している小鳥であったり、稲妻の閃光と雷鳴であったりします。しかし、それもまた自然の一部であり、不快に感じる音になることはないようです。
Quintron は将来的にはウェブカメラのように Wheather Warlock を世界各地に配置し、様々な国の異なる気候や時差からなるサウンドを体験できるようにしたいと考えており、設置スペースを提供してくれる博物館や教育機関、企業などを募っています。
ちなみに、Weather for the blind のサイトには「SLEEP」、「RELAX」、「WORK」、「STORM」と題した5つのサウンドサンプルがMP3ファイル形式で置いてあります。嵐の夜をシンセサイザーがどのように奏でたのか、試しに聴いてみるのも面白そうです。
下はプロトタイプのデモ動画。センサなどの仕組みも解説しています。