超音波を使い、何もない空中に球体などの触れる立体形状を作り出す技術を英国ブリストル大学の研究者らが発表しました。
ブリストル大学のBenjamin Long氏らが発表したのは、超音波トランスデューサを二次元的に敷き詰めて独自のアルゴリズムで連動させることで、空中の一定の場所の空気を動かして圧力差を生み出し、触れて分かる触感を与える技術。
手の位置を認識するセンサと組み合わせてPCで演算することで、手が現在触れているはずの場所の空気を振動させます。動画中のデモは、空気の動きが目に見えるよう横から照明を当てたオイルの表面に超音波を向けた仕掛け。
Long氏らは、こうした超音波による触覚再現技術により、たとえばエンターテインメント向けの触れる立体映像や、運転中などタッチスクリーンに注目できない際に触って判断できるボタンを生成するといった応用の可能性を挙げています。
元論文は Rendering Volumetic Haptic Shapes in Mid-Air using Ultrasound
こちらは今年のDIGITAL CONTENT EXPO で東京大学大学院 篠田・牧野研究室がデモしていた『空中触覚タッチパネル』
また空中に触感を与える技術としては、ディズニーの研究組織 Disney Research も、超音波ではなく風(渦)を正確に発射して触った感覚を生み出す技術 AIREAL を公開しています。