米国ラスベガスで開催中のCES 2015 より。ASUS が発表した新型Android スマーフォンZenFone 2のファーストインプレッションをお届けします。
ZenFone 2 はASUS ZenFoneシリーズのフラッグシップ機。SIMフリーで199ドルからと低価格ながら、最新の64bit 4コアAtom プロセッサや5.5型IPS ディスプレイ、デュアルSIMスロット、LTE Cat4 対応など充実した仕様を備えます。さらに最上位モデルはスマートフォンでは初の4GB RAMを搭載する点も注目です。
ZenFone 2のラインナップは大きく分けて2モデル。1280 x 720液晶と1.8GHz Atom Z3560プロセッサの下位モデルZE550ML と、1920 x 1080液晶と2.3GHz Atom Z3580 プロセッサの上位モデルZE551ML があり、さらに市場によってストレージやメインメモリの量などが異なります。画面サイズはともに5.5インチです。
価格は市場によって異なりますが、米国ではSIM フリーで199ドルから。価格的には安価な部類に入り、両モデルともに本体の素材はプラスチックですが、下位モデルはマット系、上位モデルは金属風の塗装が施されており、実際に手に持つと安っぽさは感じません。
本体サイズは縦152.5mm x 横77.2mm、厚さはエッジ部が3.9mm、中央の最厚部が10.9mm。ボリュームボタンを背面カメラの下部に配置したのは操作性向上のためとのことでしたが、側面が細いためにボタンを配置できないというのも理由として考えられます。
本体背面は中央からエッジへゆるやかにカーブしており、手にフィットしやすく、大きさの割に持ちやすい印象です。
とはいえ5.5インチという大きさは、片手では操作しにくいことも事実です。対策としてZenFone 2は進化した片手モードを搭載します。
一部のASUS 端末は従来から片手モードを搭載し、縮小後のサイズを数種類から、表示位置を左右から選択できました。ZenFone 2 の片手モードでは画面サイズと場所を自由に変更できます。
片手モードに入り、縮小された画面の端を長押しするとドラッグして拡大縮小でき、画面中央を長押しすると表示位置を任意の場所に移動できます。細かな変更点ですが使い勝手の向上に大きく寄与しています。
OS はAndroid 5.0 Lollipop と、リニューアルされたASUS 独自のZen UI の組み合わせ。新Zen UI はランチャー、テーマ、フォント、アイコンなどを変更できる高いカスタマイズ性に加え、ZenFone 2を手に持って2回チョップするように振るとスクリーンショットが撮影できるジェスチャ機能などを備えます。
端末のロックは画面上の3×3の点を設定した順に指でなぞって図を描いて解除します。マルチユーザにも対応し、ログインするアカウントは描いた図で自動判 別されます。ホーム画面の設定、各種通知、データなどはアカウントごとに個別管理され、ほかのアカウントから見ることはできません。
ZonFone 2のキッズモードは使用可能アプリやアクセスできるウェブサイト、端末の使用時間の制限などが設定できます。アプリの追加や使用時間の延長には保護者が設 定した4桁のPINコードを入力する必要があるため、子どもにPIN コードを知られないことが重要です。また電話の着信時もPINコードを入力しないと通話はできません。
オプションには様々なテクスチャやカラーリングのカバーを用意。カバーのエッジ部分はZenFone 2との段差が少なく、パッと見ると標準の本体カラーのように自然に馴染んで見えます。
ハードウェア面では最新の64bit 4コアAtom プロセッサを採用し、最上位モデルは4コアCortex A7 比でシステムパフォーマンスが3.1倍、ウェブブラウジング速度が4.4倍、GPU 性能が最大8.1倍高速としています。(比較対象の『A7 Quad cores』の具体的なGPU構成は不明)。
通信方式はLTE Cat4 に対応。公式製品ページに記載の対応バンドは、
- FDD LTE: 1/2/3/4/5/7/8/9/17/18/19/20/28/29
- TDD LTE: 38/39/40/41
短時間ながら試用した感想としては、上位・下位モデルとも にアプリの動作やウェブブラウジングは軽快で、60ミリ秒のタッチレスポンスを謳うディスプレイの反応も良好。デザイン、質感、性能のいずれにおいても SIM フリーで199ドルの端末とは思えない完成度の高さを感じました。
初代ZenFone は動作の軽さと手頃な価格が相まって日本でも人気ですが、2代目は低価格路線はそのままに正当な進化を遂げたという印象です。日本での発売時期や価格は未 確定とのことですが、SIMフリーで199ドルからという最大のセールスポイントはそのままに国内販売されることを期待したいところです。