Amazon.comは、クラウド接続の会話型コンピュータ兼スピーカー Amazon Echo を7月から一般向けに販売します。Echo は全方位スピーカーと7つのマイクを備え、インターネットに常時接続した「新しいカテゴリーのデバイス」。
ストリーミング音楽サービスの再生に加えて、天気予報や交通情報、スケジュールやリマインダの設定と通知、料理中に嬉しいタイマー設定、ネット検索、照明など家電の操作まで、部屋のどこにいても自然な言葉で命じれば声で返答します。また本の音読や日用品の再注文など、アマゾンらしいクラウド機能に対応する点が特徴です。
Echo は「声で操作できるストリーミング音楽プレーヤー&全方位スピーカー」でもありますが、音楽のほかカスタマイズしたニュースの読み上げ、計算や単位換算、天気予報、スポーツ試合の予定と経過、Googleカレンダーと連携するスケジュール、リマインダの設定と通知、声で質問に答えるネット検索などなど、多数の仕事に対応する執事のような音声コンピュータでもあります (声は女性、名前はデフォルトで Alexa)。
声で応答だけならばGoogle Now やアップルの Siri も一部の機能に対応しますが、Echo は据え置きの常時接続&常時待受でハンズフリー利用できることが最大の利点。
スマートフォンの場合は音声入力の前にまず手に持ってボタンを長押ししたり、ロックを解除する必要があるなど、ハンズフリーでは使えません。Apple Watch や Android Wear はボタンを押さずに声で入力できるものの、バッテリーやマイクの制約からやはり常時受け付けではなく、画面をタップしたり手首をくいっと返して受付状態にした後、口元に持って来て喋る必要があります。
対するEchoは、7つのマイクを備えて部屋のどこにいても常に聴いているため、両手が動かせなくても寝ていてもただ話しかけるだけ。
Echo も Siri や Google Now のようにコマンド語(アレクサという名前)だけを低消費電力で待ち受けており、そのあとに続く言葉を命令と見なしてクラウドサービスに接続します。
(一部のスマートフォンでは音声だけでスリープ復帰できたり、Siri も 電源に接続している場合ならば Hey Siri で画面消灯状態からでも受付モードになりますが、ロック解除しないと機能の多くが使えない、マイクやスピーカーの制約、音声とサードパーティーアプリ連携の貧弱さなどが「喋るコンピュータ」としての課題です)。
さらに Echo は フィリップスのスマートLED照明 Hue など家電の操作に対応するほか、ネットサービスなんでも接続トリガーサービス IFTTT も使えるため、自分でカスタマイズした一連の動作を仕込むこともできます。
Amazon らしい機能としてはオーディオブックの読み上げ、日用品の再注文にも対応。読み上げはWhisperSyncに対応しており、Kindleで読んだ続きから読み上げて、外出先では聞いたところから続きを読めます。再注文は 以前に注文したことがある Amazon Prime 対象商品ならば、音声だけで規定の支払い方法と住所あてにアマゾンで買い足ししてくれる機能。定番の食料品や洗剤や紙類などがなくなりそう ・なくなったときに声で頼めば補充が届きます。
Amazon Echo の価格は179.99ドル。昨年11月から始まったPrime会員向け招待制限定販売では99ドルでした。発送は7月14日の予定。今のところ英語にのみ対応するため、米国向けにのみ販売します。