拡張現実陣取りゲーム Ingress の開発運営元 Niantic Labsが、Googleからの独立を宣言しました。
Ingress といえば、現実世界のランドマークと「選ばれた者だけが見えるもうひとつの現実」設定を重ねあわせ、スマホやスマートウォッチの画面を覗きながら仮想陣取りに励む拡張現実位置情報ゲーム。開発元のNiantic Labs は「Googleの社内スタートアップ」とのふれこみで、Ingress やアプリField Trip など、位置情報に関連した地図以外のサービスを開供してきました。
今回の Niantic Labs による発表は、Googleの傘下から離れて独立した会社になることをユーザーに告知する内容です。といっても脱Googleしてマイクロソフトに移籍しBingマップの一部になりました!などという話ではなく、Googleの分社化と新たな親会社 Alphabet 設立に伴う動きです。
8月11日に発表され大きな反響を呼んだ Alphabet 社の設立は、Googleが扱う広範な事業のいくつかを独立分社化し、スリムになった Google には情報サービスの本業に集中させる内容。
要は検索からロボットカー、ドローン物流、医療、バイオ、エネルギーまで広範囲の事業をすべて Google ブランドで扱っていたのを改め、親会社 Alphabet の下に情報サービスのGoogle、先端研究のX Labs、などと複数の会社を置き、それぞれの経営判断の迅速化・責任の明確化を計る動きです。
Niantic Labs は Googleの本業 Googleマップと同じ位置情報サービスを扱いつつ、地図のような実用ではない別の事業領域を開拓する部門でした。独立後のトップは、Googleの新CEOサンダー・ピチャイ氏と同様、親会社アルファベットのCEOラリー・ペイジに直々に判断を仰ぐことになります。
Ingressのゲーム自体にすぐに直接の影響があるわけではありませんが、Google社内で改変現実SF陰謀論ゲームを運営しているやや奇妙な状態を脱し他社とのパートナーシップなどもより身軽になれば、ゲーム的にもまた新しい展開が見えてくるかもしれません。