GoogleTVのリベンジ商品「クロムキャスト」
先週、Googleはテレビでネットが見られるChromecast(クロムキャスト)という小さなハードウェアを発表しました。
USBスティックのような形をしたクロムキャストは、テレビのHDMIポートに差し込むだけ。見たいコンテンツをモバイルアプリで選べばWi-Fi経由でテレビに映すことができます。(日本での発売は未定)
これによって、これまで一人で見ていたネットコンテンツを家族や友達とリビングルームで一緒に見たり、お気に入りのYouTube動画を大画面で楽しめるようになるというわけです。
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グーグルの「クロームキャスト」、35ドルで発売―TVでのネット動画視聴可能に
2010年のGoogleTV発売以来、テレビ業界への食い込みを狙ってきたGoogleですが、なかなかうまくいかず次のNexusQも不発に終わっています。
しかし今回発売されたクロムキャストは35ドル(3,500円)という手軽な価格に加えて「テレビの端子に挿すだけ」という簡単操作が売り。Googleとしてはこれを一気に普及させ、まずは「ネットを自宅のテレビで見る」という新しい視聴スタイルを作ってしまうのが狙いでしょう。
視聴場所がお茶の間にも広がれば、YouTubeの視聴時間はますます伸びると思われますが、一方で課題も見えます。
スマホの普及により、今や誰でも簡単に動画コンテンツをアップできるようになりました。手軽な反面、視聴に耐えられないジャンク動画が激増しています。テレビ番組を見慣れた視聴者からはノイズとなり、ネット動画自体が嫌われてしまうことにもなりかねません。
しかし逆に言えば、クオリティの高い動画を作れる人にとっては、文字通り「自分のテレビ番組」を持てるチャンス到来なのです。
影響力を持ちはじめたYouTubeクリエイター
実際、日本でもこのところ人気テレビ番組ホスト並の影響力を持つ「YouTubeクリエイター」が増えています。
主流はカメラに向かって話すセルフ撮影の「ビデオブログ」形式。
コメディ、ガジェットやコンビニ食品のレビュー、ニュース解説、料理、メイクなどクリエイターによってテーマは様々ですが、台本、撮影、編集、アップまですべて自分で行うため作業量は多く、トップクラスでは専業者も多くいます。
たとえば、商品レビューを得意とするクリエイター瀬戸弘司氏は、パーソナリティを強く打ち出し、凝った編集や効果音によってエンタメ性の高い作品を週に数本配信して人気を博しています。