インテルが超小型デスクトップ NUCのサイトに、未発表と思われる製品の写真を掲載しています。フロントパネルと思われる左側の写真では黄色いUSB端子が目立っていますが、現行モデルではこの「黄色いUSB」を搭載するモデルはないため。
さらに右端にあるマザーボード写真も、よく見ると現行製品のmSATAではなく、より長いカードに対応したM.2スロットが搭載されています。最初は何ら かのミスかと思われましたが、英語以外のサイトもこの写真が使われており、また変更される気配もなさそうなことから、誤掲載ではなさそうです。
さて、ではこの黄色いUSBポートを備えた製品はなんだ、ということになりますが、8月に小型PC関連のサイトであるFanlessTechが製品解説用資料と思われる画像を掲載した2015年版NUCの1モデルではないかと思われます。改めてFanlessTechの画像を見ると、FPO(=for position only、仮画像の意)の文字はありつつも、黄色いUSB端子をはじめ、今回の写真とよく似たデザインに見えます。
なお、インテルが掲載した写真には、背の高さが異なる2モデルが写っていますが、これは左側がM.2タイプのSSDのみを搭載可能な薄型モデル、右側が 2.5インチドライブベイを搭載する高拡張性モデルと思われます。このあたりの仕様などに関しての詳細は以下の記事をご覧ください。
『インテル次世代NUCの流出資料』出回る。Broadwell版 Core i5 / i3モデルは来年3月までに発売?
次世代NUCの改良点を簡単にまとめると、最大の特徴は、CPU(SoC)としてインテルのBroadwell(ブロードウェル、開発コード)こと、第5世代Core iシリーズの低消費電力版(通称Broadwell-U)を搭載する点。
そのほかの変更点としては、上述したSSDや拡張スロットの仕 様変更(mSATAやmini PCI ExpressからM.2スロットへ)や、マザーボードに直づけされたUSBが全て3.0仕様になった点、ディスプレイ出力端子がmini DisplayPort(4K解像度対応)とHDMIへ、といった点が主なところ。
なお、ある意味で今回の話題の中心となった黄色いUSB端子は、スマートフォンなどの急速充電に対応した仕様と言われています。
さて、Broadwellは、インテルのCPUアーキテクチャー(基本設計)を指す名称ですが、製品としてはすでに超低消費電力タイプ(通称Yシリーズ) がCore Mとしてデビューしています。続く製品となる、Broadwell-Uをはじめとする第5世代 Core iシリーズ(Core i-5000シリーズ)の一部は、年明けのCES 2015で発表されると噂でした。今回の写真掲載で、この噂の信憑性が強化された形です。
なお、Core MとCore i-5000シリーズ全般のスケジュールに関しては、以下の記事を参照ください。現時点ではほぼこのスケジュールに沿っています。
Intel次期CPU Broadwellの出荷予定がリーク、搭載PCは年末から。次のMacBook Airは4月?
Broadwell-Uは、Broadwellシリーズの中でも、発熱と消費電力の目安となるTDP(熱設計電力)が15Wと、Core Mに次いで低い点が特徴。Core MはファンレスPCが作りやすいように、さらなる低消費電力と低発熱(TDP 4.5W)が特徴ですが、性能はその分低め。対してUシリーズは消費電力が高めな分、性能もより高く、またSoC自体の価格もCore Mより若干低いという位置づけです。
2015年版NUCはBroadwell-Uの搭載により、グラフィックスを中心とする速度向上と、実働状態での消費電力が低下すると噂されています。
従来のNUCからの移行はSSDの買い直しが必要なため敷居は高いですが、製品の仕様としてはCPUを含めて順当な強化となっており、現行のNUCに続いて定番となりそうです。
登場時期に関する噂ですが、発表は早ければCPUと同時にCES 2015で、発売は3月までにはといったところ。超小型PCは2015年も人気が続くであろう市場だけに、早期の登場を期待したいところです。