Google が iOS版 Google アプリをバージョン5に「完全リニューアル」しました。Googleの新しいデザインガイドライン「マテリアルデザイン」を取り込み、従来よりも直観的な操作が可能となりました。
またiPhone 6 / 6 Plus のRetina HDディスプレイにようやく対応したほか、マップ機能の統合や、検索履歴表示などの機能も追加されています。
マテリアルデザインとは Google I/O 2014 で発表となった UI デザインのガイドラインで、Android 5.0 Lollipop にも採用されています。マテリアルデザインはスマートフォンだけでなくスマートウォッチからスマートTV 、車載デバイスに至るまで、Google が創りだすすべてのデバイスやサービスへの提供を目指しています。
あらゆるデバイスで同じ操作性という難題をクリアするため、Google デザイン担当バイスプレジデントの Matias Duarte は、「現実世界にある物理的なルールを取り入れることで考える負担を軽減する」というコンセプトを採用したと語っています。
この話だけだと アップルが iOS から追放したスキューモーフィズムのようにも聞こえますが(現実のマイクを模したボイスメモや、リアルな紙や布の再現等)、あくまでデザインの基本は変わらず、フラットデザインと現実世界の操作性をうまく組み合わせた特徴を持つ UI となっています。
マテリアルデザイン採用の他にも、今回のアップデートには検索履歴、マップ統合、ワンタップでアプリのホーム画面に戻る機能が追加されました。
これまで、Google アプリのウェブ検索で表示したページをさかのぼりたい場合、スワイプ操作でページをめくっていくしかありませんでした。新バージョンでは閲覧したページをカード状に縦に並べ、回転式フォトフレームのように履歴をたどれます。
マップ統合機能は、Google アプリからGoogle Maps アプリへのリダイレクトをやめ、Google アプリ内でそのまま地図表示を可能としています。表示だけでなく拡大縮小、その場のポイントの情報表示といった基本操作も Google Maps アプリと同様におこなえます。
画面下部の青いボタンは、Googleアプリ内のホームボタンの役割を担います。検索画面からほかのページに遷移すると、画面下にこのボタンが表示されます。新たな検索をしたいときはこれをワンタップするだけでアプリの最初の画面にジャンプし、同時に音声検索ボタンも表示します。
さらに画像検索結果の区切り線が細くなり、より画像が見やすくなるといった細かい部分も改善されています。
ちなみに、今回のアップデートで Google アプリは iPhone 6 /6 Plus の Retina HD ディスプレイに対応しました。純正キーボードの高解像度だけ使える機能にアクセスできたり、サードパーティーのATOK for iOSテンキーモード入力では片手入力しやすいよう左右寄せが可能となったほか、QWERTY キーボードでも微妙な大きさの違いがなくなり、ようやくキーの打ち損じからも開放されそうです。
Retina HD ディスプレイへの対応はアプリ制作者側の対応が必要であり、iPhone 6 /6 Plus の利用者にとっては地味に不便なところです。まだ対応していないアプリにはできるだけ早く改善してほしいものです。