2月13日、ASUSが春商戦向けのPC新モデル発表会を実施しました。同社会長のジョニー・シー氏が来日し、自らパワフルなプレゼンで製品をアピールしています。
中心となったモデルは、キーボード合体式の超薄型タブレットとなるTransbook Chiシリーズ3モデルと、Core Mを搭載するファンレス薄型ノートPC ZenBook UX305。同社初となるCore M搭載モデルを含む、モバイル系の中心機種が世代交代することもあり、大きな注目を浴びました。
ASUS 2015春PC新製品発表会 ジョニー・シー会長プレゼン
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Transbook Chiシリーズは、米国では1月のCES 2015にて、Transformer Book Chiシリーズとして発表されたモデル。3モデルの差は主にプラットフォームと画面サイズとなります。最上位モデルT300 Chiは、Core Mを搭載する12.5型液晶モデル。T100 ChiがAtom Z3775搭載の10.1型液晶モデル、T90 ChiがZ3775搭載の8.9型液晶モデルです。米国での発表の様子は、当時の記事を参照ください。
ASUS Transformer Book Chi シリーズ発表。299ドルからの2 in 1 Windows タブレット・ノート
シリーズ共通のアピールポイントは、本体および合体時の薄さ。そもそもシリーズ名のChiとは気功などの『気』という意味ですが、シー氏のプレゼンでは 「気は空気(Air)より存在が薄い」といった意味合いの紹介をし、このシリーズがMacbook Air対抗モデルである点を強調しました。
とくに最上位モデルT300 Chiに関しては、合体時の最も厚い箇所がMacBook Airシリーズよりも0.5mm薄くなることを紹介。同モデルは昨年6月のCOMPUTEX TAIPEIでプレビューされた時点でAirより薄くなることをアピールしていましたが、その公約を果たした恰好です。
またT300 Chiは本体のみの状態にすると鉛筆とほぼ同じ薄さとなるなど、iPad Airを意識したアピールもしています。
続けて本体やキーボードのパームレストなど、エッジにダイヤモンドカットが施されている点など、デザイン性の高さについても紹介。続けて液晶パネルに IPS方式を採用している点や、T300の上位モデルでWQHD(2560×1440ドット)対応パネルを採用しており、液晶パネルの解像度が 235ppiと高く、さらに色域が広い点などをアピール。
さらに「Airよりもパワフル」として、ベンチマークソフトTablet MarkにてT300の上位モデルがiPad Airの2倍高速な点(CPUパワーでは負けるためか、ここはMacBook Airとの比較ではありません)や、Surface ProのCore i3モデルとPCMark 08で比べても1.3倍ほど高速な点に触れ、性能面でもライバルより高いことを強調。
さらに搭載SSDの連続リードとライト速度が速い点を打ち出し、性能面の高さ、さらにはバッテリー駆動時間がフルHD液晶モデルで8時間となる点などを続けて紹介。
続けてシー氏は発売日と価格について紹介し、T300 Chiの下位構成Officeなしモデルが税抜きで10万円を切る点、そして上位モデルでも13万9800円である点、続けてT100 Chiが7万3800円、T90 Chiは4万5800円と、価格と発売日を続けて紹介。キーボードが付属しての価格であることなど、コストパフォーマンスの高さを強調しました。
続けて発表されたのがZenBook UX305。こちらも本体の薄さやダイヤモンドカット加工の本体デザイン、続いてフルHD解像度のIPS液晶パネルなどの特徴に触れ、続けてCPUにCore Mを搭載する点を紹介。
続けて披露されたベンチマーク結果は、SSDの高速性をアピールするためか、なぜかHDD搭載のCore i5搭載機(詳細不明)との比較にはじまり、続けてCore M搭載機のライバルであるLenovoのYOGA 3 ProやSurface Pro 3のCore i3モデルとのPCMark Vantage比較に。こちらも比較的SSD性能が重視されるため、UX305が優位になっています。
続けて、搭載SSDの連続リード、ライト速度が速い点と、Wi-Fiが867Mbpsの802.11acに対応するところをアピール。そしてCore Mの低発熱を活かしたファンレス設計であり、ファンの動作音がまったくしない点、さらにバッテリー駆動時間がWebブラウズ時で10時間と長い点について 紹介しました。
ここでUX305も価格と発売日が公開。比較的高価な製品が多いCore M搭載機、さらにOffice Premium搭載でありながら11万9800円と、やはりコストパフォーマンスの高さを強調しました。
最後にシー氏は、今後の日本市場における同社の目標について、これまで強かった自作PC向けマザーボードやビデオカードだけでなく、2in1ノートパソコンやタブレット、そしてSIMフリースマートフォンでもNo.1を目指すと掲げました(タイトル画像参照)。
ここでSIMフリースマートフォンがわざわざ指定されているのは、今後日本でもZenFone 2や今後の新機種を積極的に投入するという意味とも解釈できるため、興味深いポイントです。
今回のプレゼンは、ASUSにしてはベンチマークの対象機種に小細工的とも思えるような選択がなされていたりと少々不思議なところはありました。いかにタ ブレット同士(にもなる)とはいえ、10万円クラスCore M搭載機の対抗として突然iPad Airが出てきたり、脈絡なくHDD搭載の仮想ライバルPCが出てくるのは、ちょっとやり過ぎではないかと思えます。
しかし、シー氏のアピールするコストパフォーマンスの高さに関しては、じっくり仕様を見ていくと、確かにライバル機よりお買い得感が出ており、一理ありま す(ただし、例えばT300 Chiが699.99ドルからとなっている米国版と比べると、もう一息下げて欲しいと思いますが)。
いずれにせよこの4モデルは、ASUSにとっても気合いの入ったモデルであることは間違いなさそう。各メーカーがCES 2015で発表したモデルを投入するこのタイミングにあっても、注目に値するモバイルノートおよびタブレットと言えそうです。