9月9日に開催されるアップル スペシャルイベントの話題。年単位でうわさが続く 13m級巨人 13インチ級 iPad は『 iPad Pro 』 の名になり、 iPhone 6S / 6S Plus と同時に発表されるかもしれません。
大画面 iPad のうわさはたとえば2013年にも、アップルがサプライヤ各社に対し iPad用の13インチ級ディスプレイのサンプルを求めたという報道がありました。また2015年に入ってからは、今年の後半に向けて量産を求めたとの報道もあります。
当時から試作はしていたらしい iPad Pro (仮) がこのタイミングで登場することには、アップルがIBMとの本格的な協業などを通じてビジネス向け・業務向けの iPad 導入を強力に進めていることが挙げられます。
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ビジネス向けとなれば、大画面で情報量が多く生産性が高いほうが、日々持ち歩くための軽さや小型より重要なことは明らかです。またビジネス向けといえば、たとえば参考リンク先 9to5Mac の匿名ソースなどは、iPad Pro (仮)がついにスタイラスを標準で用意すると証言しています。
アップルの前CEOスティーブ・ジョブズは、マイクロソフトが失敗を続けた「タブレットPC」と iPad はまったく違うと強調するため、ペンなんて必要ない、最高のポインティングデバイスは指だ ( Point =指差す) と豪語したことで知られています。
iPadはタップやスワイプといったタッチ操作の快適さでコンシューマー向けタブレットのジャンルを確立しましたが、とはいえ指で絵や文字を書くのが一般的になったわけではありません。iPad用のペンはサードパーティー各社から登場しているものの、iPadのタッチは指に最適化されており、技術的にも静電容量タッチのみでデジタイザは非搭載。細いペン先や感圧には対応できないことから、純正のiPadペンはこれまで存在しませんでした。
一方、使いにくく不格好な失敗の代名詞として笑われた「タブレットPC」は iPad に遅れてやっと使い物になり、マイクロソフトとWindows の象徴にまで据えられた Surface Pro タブレットは、ペン対応でビジネスや教育分野にも強いことをアピールしています。
このような状況で登場する(とみられる) iPad Pro は、これまでのうわさをまとめると:
・画面サイズは12.9インチ
・Apple Watch や 新MacBookタッチパッドと同様、感圧フォースタッチに対応。
・ペン先が細いスタイラスで、筆圧感知ペン入力に対応。
・iOS 9 の目玉機能マルチタスクに対応し、複数のアプリや文書を左右分割で参照しつつ、入力や作成ができる。
とされています。
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13インチのタブレットはいくらなんでもデカい、9.7インチのiPadですらかさばるから iPad mini に乗り換えたという、というユーザーも多そうです。しかし Surface などの2 in 1 タブレットをノートPCのつもりで購入したユーザーからは、タブレットとして使ってみたら意外と快適だった、ウェブや動画や電子書籍にはむしろ10インチ級では物足りなくなったという声も聞こえます。
ポケットに入れて片手でも使える小型タブレットとはまた別のカテゴリとして、大型のタブレットはビジネス用途以外にもまだ可能性がありそうです。
iPhone 6S / iPhone 6S Plus との同時発表説については、アップルはひとつのイベントに主力製品を詰め込まず、それぞれに別の機会を設けることから疑わしいという意見もあります。
しかしかつてのジョブズ時代には複数カテゴリを一気に発表したうえにわざとらしい one more thing で新製品をアピールしていこともあり、また Apple Watch と iPhone など、同一エコシステムでの連携を売りにしたいアップルとしては、分厚いラインナップを一気に並べることによる効果を狙う戦略に回帰する傾向もうかがえます。
9月9日スペシャルイベントの会場は、収容人数7000人のBill Graham Civic Auditorium。iPhone / iPad / Apple TV etc の同時発表で圧倒的じゃないか我が社は!と印象づけるため、特に広い会場を用意したと考えられなくもありません。
スペシャルイベントのキーノート開始は現地時間で9日朝10時、日本時間では翌10日の午前2時から。Engadgetではいつものように速報体制でお伝えします。